2008年7月31日木曜日

シルバー民主主義

 ひきつづき、WEDGE 8月号「高齢者医療で露呈 シルバー民主主義の危うさ」から。
http://www.wedge.co.jp/

 野党に政争の中心に仕立て上げられた後期高齢者医療制度。騒動を助長するマスコミの批判の多くは、必要以上に感情を煽り、世代間の問題を混乱させようとする無責任なものではなかったか。
 「高齢者=弱者」の構図を持ち出し乱暴に制度批判するのは、「投票所に来るのがお年寄りだから」ではないだろうか。高齢化した有権者や新聞購読者に同調する「シルバー民主主義」。このまま突き進めば、いつか現役世代の不満が爆発し、深刻な世代間対立に陥るだろう。相互扶助を哲学とする社会システムが崩壊してしまう前に、国民は気づくべきだ。


 国民皆保険制度の危機は差し迫った問題です。高齢者対策を若い世代にツケを追わせて先送りするだけのしくみはもう限界です。本質的な議論を期待します。

2008年7月30日水曜日

寛容さを失った都会

 WEDGE 8月号のTop Runnerに神島診療所の奥野正孝さんが登場しています。
http://www.wedge.co.jp/
 
 今、都会では、お金を払えばスピーディで高度なサービスがマニュアル的に受けられる、それが医療だという雰囲気ができてしまっている。
 「今の世の中は寛容さを失ってきているから、ものを覚えるのに時間がかかることや、ドジすることが許されない。医者だけではありません。誰でも、最初から一人前でなければあかんと言われてしまう。それで、本来時間がかかることを、短い時間でできるようにしようとするから、マニュアル社会になるんでしょう」


 マニュアル医療、思い当たるところがあります。アメリカ追従型の社会構造から脱却し、人と人とのつながりを基盤にした古き良き時代の日本の社会、そして日本の医療を取り戻していきたいものですね。
 リニューアルしたWEDGE、ぜひご一読を。

2008年7月29日火曜日

AFPは万能でない(1)

 別件で紹介されてきたC型肝炎の方に偶然肝細胞癌が見つかりました。肝臓の定期検査を受けておられなかったようです。AFPは肝細胞癌発見のためによく使われますが、検査していればよかったのでしょうか。

Ann Intern Med. 2003 Jul 1;139(1):46-50.
Test characteristics of alpha-fetoprotein for detecting hepatocellular carcinoma in patients with hepatitis C. A systematic review and critical analysis.
Gupta S, Bent S, Kohlwes J.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12834318

  • C型肝炎感染者が
  • AFP低値であれば
  • 肝細胞癌を除外できるか
  • 診断、システマティックレビュー

結果:5つの研究(コホートと症例対照研究)から
AFP level > 20 microg/Lでは
sensitivity, 41% to 65%
specificity, 80% to 94%
positive likelihood ratios, 3.1 to 6.8
negative likelihood ratios, 0.4 to 0.6.

 AFPは確定にも除外にもあまり良い検査ではなく、意外な結果でした。肝細胞癌の少なく見積もって35%、多く見積もれば60%が見逃されるということです。
 この研究にはgold standardに超音波検査を採用しているものも含まれています。対照群の診断はほとんど超音波検査ですが、これは対照群に発生する病気を少なく見積もる危険性があります。

2008年7月28日月曜日

敗血症の診断にプロカルシトニン

 プロカルシトニンの説明会と勉強会に参加しました。細菌性の敗血症が疑われる場合に検査できるプロカルシトニン。その感度・特異度はどれほどでしょうか?論文は多数出ていますが、メタ分析を確認してみました。

Lancet Infect Dis. 2007 Mar;7(3):210-7.
Accuracy of procalcitonin for sepsis diagnosis in critically ill patients: systematic review and meta-analysis.
Tang BM, Eslick GD, Craig JC, McLean AS.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17317602

  • 敗血症が疑われる人で
  • プロカルシトニンが高値なら/低値なら
  • 細菌性敗血症を診断できるか?/除外できるか?
  • 診断、メタ分析

結果
positivelikelihood ratio 3·03 (95% CI 2·51–3·65)
negativelikelihood ratio 0·43 (95% CI 0·37–0·48)


 敗血症に対しては、意外と診断価値は低い結果となっているようです。
 日本では保険適応上、敗血症が疑われる場合にのみ算定できることになっており、より診断価値が高い疾患では使えないことになっています。

2008年7月25日金曜日

抗CCP抗体はリウマチ因子より特異度が高い

 久しぶりに論文に向き合っています。忙しいとついつい億劫になってしまいます。
 関節痛、発熱の原因がはっきりしないために開業医から紹介されてきた30歳代の男性。関節痛は典型的なものではありませんでした。抗CCP抗体が測定されており、基準範囲内でした。
 抗CCP抗体はどの程度の感度があるのでしょうか。CCPはcyclic citrullinated peptideの略です。

Ann Intern Med. 2007 Jun 5;146(11):797-808.
Meta-analysis: diagnostic accuracy of anti-cyclic citrullinated peptide antibody and rheumatoid factor for rheumatoid arthritis.
Nishimura K, Sugiyama D, Kogata Y, Tsuji G, Nakazawa T, Kawano S, Saigo K, Morinobu A, Koshiba M, Kuntz KM, Kamae I, Kumagai S.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17548411

  • 関節痛がある方が
  • 抗CCP抗体陰性であれば
  • 慢性関節リウマチを除外できるか?
  • 診断、メタ分析
結果
抗CCP抗体
感度:67% (95% CI, 62% to 72%)
特異度:95% (CI, 94% to 97%)
陽性尤度比:12.46 (CI, 9.72 to 15.98)
陰性尤度比:0.36 (CI, 0.31 to 0.42)

IgM RF
感度:69% (CI, 65% to 73%)
特異度:85% (CI, 82% to 88%)
陽性尤度比:4.86 (CI, 3.95 to 5.97)
陰性尤度比:0.38 (CI, 0.33 to 0.44)


 日本人のメタ分析です。抗CCP抗体が陽性であれば診断確定に近づきますが、陰性であっても除外はしにくいということになります。

 この論文は「内科開業医のお勉強日記」のページでも紹介されていました。
http://intmed.exblog.jp/5696970/

2008年7月22日火曜日

家庭医の未整備が招く勤務医の疲弊

 新装されたWEDGE 7月号に特集「医療崩壊の危機 医師を増やしても解決しない」が掲載されていました。

 一橋大学の井伊さんは、医療崩壊の背景にあるのは、コンビニ受診の蔓延や初期診療を幅広く行える家庭医や総合医の整備の遅れであり、こうした根本的な課題にメスを入れるべきと指摘されています。

 船長がいなくなったタイタニック、医療の危機は待ったなしです。家庭医懇談会の歴史を繰り返している時間はありません。医師会も既得権益を主張するだけではなく、将来の医療のビジョンをもって議論していただきたいです。
 家庭医育成の取り組みは、日本家庭医療学会を中心に、すでに全国で始まっています。
http://jafm.org/

 WEDGE8月号が発売されています。「トップランナー」には鳥羽市立神島診療所所長の奥野正孝さんが登場します。「信じてくれる人がいるから仕事はおもしろい」
http://www.wedge.co.jp/d_1.html

2008年7月17日木曜日

医療費はどんどん増え続ける

 医療関係のニュースが毎日のように報道されています。

07年度医療費、過去最高の33.4兆円

 07年度の医療費は前年度より3.1%増の33.4兆円で過去最高だったことが、厚生労働省が16日に発表した概算医療費の集計で分かった。国民1人当たりの医療費は26万2千円で、いずれも02年度以降、増え続けている。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200807160292.html

1日当たりの医療費も4.1%増加しており、厚労省は「医療技術の高度化で、1回あたりの治療にかかるコストが増えた」とみている。


 資源は限られています。治療あたりのコストが増えたのであれば、治療の適応を厳しく吟味すべきではないでしょうか。出来高払いでは、検査・治療はすればするほど病院収益は上がるようになっています。技術の進歩により医療費が増加するのは当然です。
 高度な検査をオーダーすることが良質な医療ではありません。日本のCT・MRI保有台数は世界で飛び抜けています。しかし、その検査は本当に必要でしょうか?手軽に使われるようになっているからこそ、不用意に使用していないか吟味が必要ではないでしょうか。

2008年7月15日火曜日

大学よ、襟を正せ(2)

 現金授受の次は偽装論文です。

患者同意、倫理委承認に虚偽=教授が論文を撤回-「認識甘かった」・東大医科研
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008071100349

 東京大学医科学研究所(東京都港区)は11日、難治性血液疾患に関する研究を行っている分子療法分野の東條有伸教授(52)らの論文に、実際は得ていない患者の同意や倫理委員会の承認を得たと記載する虚偽があったと発表した。同教授は事実を認め、海外の雑誌に投稿した1本の論文を撤回。さらに複数の論文に虚偽記載の疑いがあり、医科研が調査を進めている。 清木元治所長は「社会の信頼を裏切る行為で誠に遺憾。ご迷惑とご心配をお掛けし、心からおわびしたい」と述べた。

東大医科研教授、院生の論文にも虚偽記載
http://www.asahi.com/national/update/0713/TKY200807120259.html

 医学論文で研究倫理に関する虚偽記載をしていた東京大学医科学研究所の東條有伸教授(52)が今年2月にも、大学院生の博士論文に同じような虚偽内容を書き加えていたことが分かった。この論文に研究倫理にかかわる記載がないことを疑問視する動きが学内にあることを知った教授が、問題を取り繕うために加筆したとみられる。
 
 東條教授は論文の「検体」の項目に、「本研究で使用した患者検体(骨髄または末梢(まっしょう)血)は、医科研の倫理審査委員会より承認を得た研究計画書にしたがって、その使用目的を説明したうえで、書面にて同意を取得可能であった症例から採取した」と加筆した。
 しかし、朝日新聞の取材を受けて医科研が調べた結果、研究は倫理委にかけられておらず、使用した可能性のある検体(医科研付属病院で二十数人から採取)すべてで同意を得られていなかった。論文審査は中断している。

 この研究は「臨床研究に関する倫理指針」(倫理委の承認や文書による患者同意の必要性)に違反する。

 
 学術論文は、その結果を臨床で使用する際に大きな影響力を持ちます。ある医療行為のようにひとりの患者ではなく、たくさんの患者・社会に重大な影響を与えるものです。どんな些細なものであっても、学術論文の偽装は許されるものではありません。
 同様の事例が多数あるのではないでしょうか。大学による自主的な調査ではなく、第三者による精査も必要でしょう。
 偽装された食品に対する消費者からの批判を思い浮かべます。業者の多くは大きな社会的制裁を受けてきました。論文の「消費者」の立場である臨床医から、このような偽装行為に対し、断固として抗議します。

 今、将来の日本の医療のため、批判を恐れず声を上げたい。大学よ、襟を正せ。

2008年7月14日月曜日

大学よ、襟を正せ(1)

横浜市大:医学部長謝礼問題 博士号現金受け取り新たに6教授--最終報告 /神奈川
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20080710ddlk14040197000c.html

 横浜市立大(同市金沢区)の大学院医学研究科の博士号取得を巡る現金授受問題で同大の「学位審査対策委員会」(宗像紀夫委員長)は9日、新たに教授6人が金銭を受け取っていたことが分かったとする最終報告書を公表した。中間報告で明らかになった16人に加え、金銭受領が認定された教授・准教授はこれで計22人となり、金額は約578万円に上る。同大は今月中にも22人のうち現職の18人と関係者を処分する方針。

『一般社会と感覚にずれ』 対策委最終報告 教育者の資質にも言及
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20080710/CK2008071002000110.html

 学位のやりとりをめぐって教え子らから金を受け取っていた教員が全体の三割以上に達することが明らかとなった横浜市立大学大学院医学研究科(金沢区)。九日夜の会見で、問題の調査に当たった対策委員会(委員長・宗像紀夫弁護士)は大学の体質に苦言を呈した。大学は信頼回復を目指す姿勢を強調したが、教授が自ら金銭を要求する事例が判明するなど問題の根は深く、再発防止策が結実するかどうかは未知数だ。 (中山高志)

 「医学部の特異性を強く感じた。一般社会との乖離(かいり)があると思う」

 元東京地検特捜部長の宗像委員長は、「医」の世界の非常識さが問題の温床となったとの見方を示した。


 不正をしても大学の身分を追われるだけで、医師という職業は奪われない。一般社会の感覚からは考えられないことではないでしょうか。それは果たして懲罰といえるのですか? 大学の教員としてではなく、医師の資格について検討すべきです。
 現金授受により取得された学位も認められるのでしょうか?
 前医学部長たる立場で許せない行為です。医学部の信頼は完全に失墜しました。博士や医療に対する不信にもつながります。厳正な対応を期待します。

2008年7月11日金曜日

「総合医」を「認定医」に

 舛添要一厚生労働相は7月10日、卒業後にへき地や離島で診療ができるよう、いわゆる「総合医」を養成している自治医科大(栃木県下野市、高久史麿学長)を視察した。視察後の記者会見で、厚労相は、総合医を学会などが認定する「認定医」として位置付けられるよう、厚労省として検討していく意向を表明した。
http://www.excite.co.jp/News/society/20080710/Cabrain_17083.html

厚労相は視察で、総合医について、「中身や内容について、それぞれの学会で自由にやるのがよく、国が『これとこれのカリキュラムやらなきゃ駄目だ』という方向じゃない方がいいと思っている。厚生労働大臣は何をすべきか」と述べ、高久学長らに意見を求めた。

 高久学長は「米国の場合、インターンが終わって3年ぐらいの後期研修を終えて、初めて『家庭医』や『地域医』になれる。日本でも初期研修が終わって2年ぐらいは総合医としてのトレーニングを受けないと、住民が信用しない」と、総合医としての研修の必要性を訴えた。また、「医師会と学会で認定制をつくる必要があると個人的に考えている」と述べた上で、「日医認定かかりつけ医(仮称)」を紹介。日医が現在実施している生涯教育事業のカリキュラムを、総合医養成の方向に重点を移して「総合医教育」に改めていくことや、開業医への資格取得支援としての、インターネットを通じた履修方法なども紹介した。
 さらに、地域住民に総合医を広く知ってもらうよう広告を可能にしてほしいとも求めたが、現在は厚労省が認めた学会認定の専門医でなければ広告できないため、「お願いしようと思っている」と、厚労相の協力を要請。「総合医は専門医ではなく、ある意味、専門領域の幅が広い、総合的な専門医。総合医の認定制をつくったときに、総合医の看板を出せるようにしてほしい」と訴えた。加えて、千葉県鴨川市の亀田総合病院が後期研修に設けている「家庭医診療科」などを例示して、総合医に関するコースを修了した場合も広告させてほしいと求めた。

2008年7月10日木曜日

FluoroquinolonesにFDA警告

 Fluoroquinolonesで腱炎や腱破裂のリスクが高まるとの警告が出ています。
http://www.fda.gov/medwatch/safety/2008/safety08.htm#Fluoroquinolone

[Posted 07/08/2008] FDA notified healthcare professionals that a BOXED WARNING and Medication Guide are to be added to the prescribing information to strengthen existing warnings about the increased risk of developing tendinitis and tendon rupture in patients taking fluoroquinolones for systemic use.

Fluoroquinolones are associated with an increased risk of tendinitis and tendon rupture.

This risk is further increased in those
over age 60,
in kidney, heart, and lung transplant recipients, and
with use of concomitant steroid therapy.

Physicians should advise patients, at the first sign of tendon pain, swelling, or inflammation, to stop taking the fluoroquinolone, to avoid exercise and use of the affected area, and to promptly contact their doctor about changing to a non-fluoroquinolone antimicrobial drug. Selection of a fluoroquinolone for the treatment or prevention of an infection should be limited to those conditions that are proven or strongly suspected to be caused by bacteria.

2008年7月9日水曜日

JMSコホート研究

 心血管疾患の危険因子を検討する日本のコホート研究、JMSコホート研究の結果が公表されています。日本初の貴重なエビデンスが発信されてくると期待されます。

http://www.epi-c.jp/e015_1_0001.html
 JMSコホート研究(The Jichi Medical School Cohort Study)は,心血管疾患および脳血管疾患の危険因子を明らかにすることを目的として1992年に開始された多施設前向きコホート研究。地域で働く自治医科大学の卒業生らが中心となり,岩手県から福岡県まで9県12地区で12000人以上を対象として脳卒中や心筋梗塞の発症の追跡を行っている。

2008年7月8日火曜日

銚子市立病院が休院

 自治体病院、ついに経営難で休院。

http://www.j-cast.com/2008/07/08023170.html
ドラマ「Tomorrow」とそっくり 銚子市立病院が医師不足で「休院」

地方の医療崩壊が叫ばれるなか、経営難の市立病院の運営が休止されることになった。相次ぐ常勤医師の減少で収益が悪化したのに加え、市からの追加財政支援が絶望的になったことが、経営難の病院にとどめを刺した。この病院では、院長が心労などで「燃え尽きた」として辞職するという事態にも見舞われている。民放テレビでは地域医療をテーマにしたドラマが好調な滑り出しを見せたばかりだが、ドラマも顔負けの地域医療の厳しさが浮き彫りになった形だ。

医師不足の問題は、銚子市に限った話ではなく、地域医療全体が抱える問題でもある。「市民病院が潰れる」というドラマ以上の事態が、いよいよ現実のものとなって波及しそうだ。


 本当に対岸の火事ではありません。このようなケースは今後増えると予想されます。
 ドミノ倒しから地域医療崩落の危険もあります。
 地域医療の再構築、超緊急の課題ではないでしょうか。

2008年7月7日月曜日

総合医・総合診療医(仮称)の認定制度創設に向けて

 日本医師会「日医ニュース」から。認定制度の動きがあります。

総合医・総合診療医(仮称)の認定制度創設に向けて
http://www.med.or.jp/nichinews/n200705k.html

日医が,国に先駆け,これまでの生涯教育制度を底上げして,認定制度を主導的に創設することこそが,「フリーアクセスの制限,人頭割り,定額払い,総枠規制」に結び付かない唯一の方策であると信じている.

本制度の創設は,国民の目から見える形での医療の質の担保であり,それにより,一層安心して受診出来るという国民からの要請でもある.今後は,これまでにいただいた意見を踏まえ,会員諸氏には,履修方法も含めて理解いただけるよう,より分かりやすく,具体性をもった認定制度要綱案を作成したいと考えている.
なお,総合医・総合診療医(仮称)の認定制度の創設については,日医ホームページ等を通じて,適宜,情報提供を行っていく予定なので,参照いただき,意見を賜りたい.

2008年7月4日金曜日

はじめてシート

 原著論文の批判的吟味に有用なツールがありますので、ご紹介します。

はじめてシート
http://spell.umin.jp/EBM_materials_BTS.html
医学論文・原著論文の読み方が分からず困っているあなた!
英語の医学論文・原著論文の読み方を分かりやすく伝授します!!


 チェックシートがPDFでダウンロードできます。
 論文の批判的吟味で困った時はここを探すとなんとかなります!!ぜひご活用ください。

 尚、掲載に際して、The SPELL管理人の南郷栄秀さんから許可をいただきました。 チェックシート使用の際は著作権にご注意ください。

2008年7月3日木曜日

床屋・歯科では使い回しはないか?(4)

 電気かみそりもウイルス性肝炎感染のリスクになるのではというcorrespondenceが検索されました。病棟専用の電気かみそりを患者同士で手渡しして使っているのを見た、という内容です。

N Engl J Med. 2000 Mar 9;342(10):744-5.
Electric razors as a potential vector for viral hepatitis.
Kelly CR.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10712134
http://content.nejm.org/cgi/content/full/342/10/744?ijkey=04ef98c37e2e7554cdf7b272538efe5985213101&keytype2=tf_ipsecsha

N Engl J Med. 2000 Jun 15;342(24):1840-1.
Electric razors as a potential vector for viral hepatitis.
Arbeit RD, Goodman RP, Snider GL.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10866563 http://content.nejm.org/cgi/content/full/342/24/1840

 こんなことも施設や病院で何げなく起こりうることなのかもしれません。
 肝炎だけではなく、HIVや未知のウイルスも怖いです。十分注意が必要ですね。

 どこで感染したかわからない肝炎は次々に見つかっています。
 血液製剤、注射、採血器具までやるのであれば、同じように感染リスクのある床屋、歯科、入れ墨、ピアスなどの業者も徹底的に調査していくべきではないでしょうか。

 また他業種の工夫を共有するような努力には欠けているように思います。歯科のことですら、よくわからないのが実情です。ともに考え、学ぶ取り組みができないか、考えてみたいです。

2008年7月2日水曜日

日本の家庭医

 AERA臨時増刊が出版されています。
 家庭医に関する情報がこれだけ出されたことは非常に画期的です。ここを出発点として、さらに国民の家庭医に対する理解が進むことを期待します。

日本初!かかりつけ医を探すガイド
日本の家庭医1435人
定価:680円(税込)
発売日:2008年6月23日
A4変判 228ページ 無線綴じ
アエラ臨時増刊(2008/07/05)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=9510

2008年7月1日火曜日

床屋・歯科では使い回しはないか?(3)

 かみそりはどうなっているのでしょうか。最近は感染対策がされているようなお店も増えているような気がしますが。実際には感染対策がなされているのか、利用者としてはよくわからないところです。

 厚労省から「理容業の振興指針(昭和五十八年厚生省告示第二百五号)」が改正されて出ています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei05/04.html

一部抜粋します。

第二 理容業の振興の目標を達成するために必要な事項
一 営業者が取り組むべき事項
1 衛生水準の向上に関する事項
(一)日常の衛生管理に関する事項 理容業は、人の身体の一部である毛髪及び皮ふに鋭利な刃物を当て、又は化学薬品等を使用して容姿を整える営業であり、人の身体の安全及び衛生に直接関わる営業である。このため、営業者及び従業者は、理容師法等の関係法令を遵守することは当然のこと、衛生上の問題発生の防止及び衛生水準の一層の向上を図るため、衛生に関する専門的な知識を深め、常時、施設・設備、器具等の衛生管理に努めるとともに、各種器具、薬品、整髪剤等の適正な取扱い、毛髪など廃棄物の適切な処理にも十分留意し、衛生管理の改善に取り組むことが必要である。 利用者の関心は、特に、肝炎、エイズ、重症急性呼吸器症候群(SARS)等の感染症の発生状況を踏まえた感染症対策の充実にある。したがって、営業者は、皮ふに接するタオル及び布片並びにかみそり等刃物の消毒の徹底に努めるとともに、作業中は汚れの目立ちやすい清潔な外衣の着用、顧客一人ごとの作業前後のうがい、手指の洗浄や消毒、つめの手入れ、顔そり等の場合のマスクの着用等の衛生管理を徹底し、さらに、従業者の健康管理に十分留意し、従業者に対する衛生教育及び指導監督に当たることが必要である。 そして、これらの取組を利用者に分かりやすく伝えることが、利用者に納得と安心感を提供するために最も重要である。

 となっています。指針が徹底されていることを願います。

へき地医療をテーマにした映画「ディア・ドクター」

 へき地医療をテーマにした映画、西川美和監督「ディア・ドクター」がクランクインします。

http://www.cqn.co.jp/news/
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20080627-OHT1T00024.htm

 西川監督は、前作「ゆれる」で国内外の映画賞を総なめにした今もっとも注目度の高い女性監督。

 とあるへき村の診療所に勤める独身の中年医師・伊野(鶴瓶)は、さまざまな病を一手に引き受け、村人から全幅の信頼を寄せられている。が、ある時独り暮らしの未亡人・かづ子(八千草薫)を診療することになってから、伊野が隠していた意外な素顔が浮かびあがるというストーリー。

 7月28日にクランクイン予定、2009年公開予定です。


 以前、この映画の取材に来られて西川監督をお見かけしたことがあります。公開が楽しみですね。