2009年7月14日

がん検診は本当に推進してよいのか?(2)

 2007年に「がん対策推進基本計画」が策定されています。厚生労働省のホームページでPDF公開されています。のぞいていました。
------------------------------------------------------------
(6) がんの早期発見

(現状)
 がん検診については、昭和57(1982)年度に老人保健法に基づく市町村の事業として、胃がん検診、子宮頚部がん検診が開始された。その後、子宮体部がん検診、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診が追加・拡充されてきたところ、平成10(1998)年度に一般財源化され、現在は法律に基づかない市町村事業として整理されている。
 企業における福利厚生や健康保険組合等における独自の保健事業の中で、がん検診を実施している場合やがん検診受診の補助を行っている場合がある。また、任意で受診する人間ドック等の中で、がん検診を受けている場合もある。
 がん検診の受診率は、「平成16年国民生活基礎調査」によれば、あらゆる実施主体によるものを含め、男女別がん種別で見た場合、13.5%~27.6%となっている。
 国においては、がん検診について、対象年齢、受診間隔、検診項目、精度管理等に関する指針を示している。また、国においては「がん検診に関する検討会」を設置し、平成15(2003)年12月からがん検診の在り方について見直しを図っており、現在まで「乳がん」、「子宮がん」、「大腸がん」及び「胃がん」に関しての検討結果を指針に反映させている。
 平成20(2008)年度以降、がん検診等については健康増進法に基づく事業(努力義務)として引き続き市町村が行い、糖尿病等の生活習慣病に着目した健康診査(義務)については医療保険者が行うこととなる。

(取り組むべき施策)
 受診率の抜本的な向上を図るため、国民に対しがん予防行動の必要性の理解及びがん検診についての普及啓発を図った上で総合的な対策を推進する。
 特に、受診対象者を正確に把握した上で、未受診者に対する普及啓発や受診勧奨を行うなど、未受診者を無くすことに重点を置いたより効率的ながん検診の推進を図る。また、企業やマスメディア等も巻き込んだ普及啓発に関する取組など、都市部や町村部といった地域の特性に合わせたモデル的な取組を評価・普及していく。
 市町村によるもののほか、人間ドックや職域での受診を含め、実質的な受診率を把握できるような手法の検討を行うなど、正確な受診率を把握することに努める。
 有効性の確認されたがん検診を実施するため、科学的根拠に基づくがん検診の手法の評価を、定期的に行う体制を今後とも維持する。また、精度管理・事業評価についても十分検討する。
 これまでの研究成果を応用に結びつけるため、がんの早期発見の手法の改良や開発に関する研究についてより一層の推進を図る。
 がん検診の受診につながるインセンティブ等について検討を進めていく。
 市町村におけるがん検診と老人保健法における基本健康診査等については、市町村において同じ会場で実施されている場合もあるが、平成20(2008)年度以降も、受診日、受診場所、費用負担などについては、受診者の利便性が損なわれないよう配慮することが望まれる。

(個別目標)
 がん検診の受診率について、欧米諸国に比べて低いことも踏まえ、効果的・効率的な受診間隔や重点的に受診勧奨すべき対象者を考慮しつつ、5年以内に、50%以上(乳がん検診、大腸がん検診等)とすることを目標とする。
 また、すべての市町村において、精度管理・事業評価が実施されるとともに、科学的根拠に基づくがん検診が実施されることを目標とする。なお、これらの目標については、精度管理・事業評価を実施している市町村数及び科学的根拠に基づくがん検診を実施している市町村数を参考指標として用いることとする。
------------------------------------------------------------
 残念ながら、5年以内に50%以上の数値目標の根拠については「欧米諸国に比べて低いことも踏まえ」とだけあり、明記されてはいませんでした。また、乳がん、大腸がん等とありますが、個別のがん検診の有効性や費用対効果についても述べられていませんでした。
 それ以前の問題として、がん登録が不十分で全体像を把握できていないこと、がん検診の受診率は国民生活基礎調査に基づくもので実際の受診率ではないこと、任意のがん検診については把握できていないこと、さらには科学的手法に基づくがん検診の評価、事業評価も十分検討する、と記載されているに過ぎません。
 さらに追跡してみます。

2009年7月13日

がん検診は本当に推進してよいのか?(1)

 CBニュースから。
------------------------------------------------------------
がん検診50%には「国民の理解が必要」―舛添厚労相

 厚生労働省は7月9日、第1回の「がん検診50%推進本部会議」を開いた。推進本部長の舛添要一厚労相はあいさつで、「がん検診の受診率50%という目標達成のためには、(国民)一人ひとりに検診の必要性、予防の必要性を理解していただかないといけない」と述べた。
 がん検診50%推進本部の設置は、2007年にがん対策推進基本計画で「5年以内にがん検診受診率を50%以上にする」と国が定めた目標を達成するのが目的。がん検診に関する予算額は、昨年度は18.3億円だったが、今年度は補正予算で「女性特有のがん検診推進事業費」に新たに216億円が計上されるなど、249.1億円に大きく増えている。厚労省は今後、今年4月現在で375か所あるがん診療連携拠点病院や日本医師会、患者団体などと連携しながらキャンペーンを実施し、20-30%程度にとどまっている受診率を11年度末までに50%に底上げすることを目指す。
------------------------------------------------------------
 検診精査のため毎日たくさんの人が病院を訪れています。「早期発見、早期治療」これまで検診受診、病院受診キャンペーンは無批判に続けられてきました。しかし、本当に効果があるのでしょうか?害はないのでしょうか?

 巨額の費用を負担しながらもかかげる目標の根拠は一体何でしょうか?調べてみたいと思います。

2009年7月10日

東京都地域医療支援ドクター

 東京都では離島医療を経験しながらキャリアアップできる制度を導入しています。卒後5年目以降の医師を募集しています。
------------------------------------------------------------
東京都地域医療支援ドクター」の募集  平成21年6月1日医療政策部

 東京都では、地域医療の支援に意欲を持つ医師を「東京都地域医療支援ドクター」として都が採用し、医師不足が深刻な市町村公立病院等に一定期間派遣します。
 派遣期間(支援勤務)以外は、専門医・指導医等へのキャリアパスを実現できるように、本人の希望に応じて都立病院等におけるキャリアアップ勤務を実施します。
1 平成21年度第一次募集概要
(1) 募集概要
● 採用の身分   常勤の都職員(係長級医師) 
● 採用予定日  平成22年4月1日
※欠員状況等により、平成21年10月1日以降、平成22年4月1日以前に採用される場合もあります。 ● 採用予定数    10名程度 
● 募集診療科等 周産期医療(産科・新生児科)、小児医療、へき地医療(総合・内科・外科等)、救急診療(内科・外科等)のいずれかに従事 
● 応募資格 採用予定日現在、医師法による医師の免許を取得後5年以上を経過しており、59歳以下の医師 
● 募集期間 平成21年6月1日(月曜日)~平成21年8月31日(月曜日)
(2) 勤務期間  
 原則6年以上。6年後は、希望により、都立病院等への異動が可能。
(3) 給与  
 都立病院医員と同等。加えて、派遣中は勤務1日につき1万円を上限に「派遣手当」を支給。
(4) 勤務内容 
 多摩・島しょの公立病院等への「支援勤務(派遣)」(通算2年間)と、都立病院等における「キャリアアップ勤務」(通算4年間)のローテーション勤務。 キャリアアップ勤務を行う医療機関は、専門医・指導医等へのキャリアパスを実現できるよう、希望に応じて設定し、都立病院以外の都内大学病院や民間病院等での研修も可能です。
------------------------------------------------------------
 東京都の離島に興味がある方はご覧ください。

2009年7月9日

第11次へき地保健医療計画策定へ

 CBニュースから。
------------------------------------------------------------
第11次へき地医療計画策定へ検討会―厚労省

 2011年度からスタートする「第11次へき地保健医療計画」を策定するため、厚生労働省は7月10日、「へき地保健医療対策検討会」の初会合を開く。委員は病院団体や自治体の関係者ら20人で、これまでの検討会で検討してきた無医地区への対応を中心に議論し、年度内に報告書を取りまとめる方針だ。
 国は1956年から5年ごとに「へき地保健医療計画」を策定。66年に2920か所(総人口約119万人)だった無医地区は、2004年には787か所(同約16万人)にまで減少している。
 検討会の開催は05年以来4年ぶり。今回も「第10次計画」に引き続き、無医地区での保健医療対策や過疎地域での医療従事者の確保などについて検討する。

 同検討会の委員は次の通り(敬称略)。 
内田健夫(日本医師会常任理事)▽奥野正孝(三重県健康福祉部へき地医療総括特命監)▽梶井英治(自治医科大教授・地域医療学センター長)▽木村清志(島根県健康福祉部医療企画監)▽澤田努(高知県へき地医療支援機構)▽澁谷いづみ(愛知県半田保健所長)▽神野雅子(北海道保健福祉部地域医師確保推進室看護政策グループ主査)▽鈴川正之(自治医科大教授)▽高野宏一郎(新潟県佐渡市長・全国離島振興協議会会長)▽対馬逸子(青森県西北五地域医療研究会代表)▽土屋いち子(長野県訪問看護ステーションしらかば)▽角町正勝(日本歯科医師会理事)▽内藤和世(京都府立与謝の海病院長)▽中村伸一(福井県おおい町国保名田庄診療所長)▽畠山博(岩手県藤沢町長)▽前田隆浩(長崎大教授)▽前野一雄(読売新聞東京本社編集委員)▽三阪高春(鹿児島県霧島市立医師会医療センター)▽村瀬澄夫(東員病院長・三重大客員教授)▽吉新通康(地域医療振興協会理事長)
------------------------------------------------------------
 無医地区はかなり減っているのですね。医師がいる地域の医療問題が大きくなりすぎていますが。

第21回 医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー

 日本家庭医療学会の学生・研修医部会主催の医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー、今年は群馬県で開催です。締め切りが迫っておりますが、まだ定員に余裕があるようです。ぜひご参加ください。
------------------------------------------------------------
第21回 医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー

毎年夏に「医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー」を開催しています。 『家庭医療って何?』という低学年の方から、『家庭医を目指すにはどうすれば良いの?』『家庭医の先生と話をしたい!』という高学年の方、そして現在家庭医を目指して奮闘している研修医の方々まで、家庭医の先生方と一緒に勉強して、語り合いましょう!

日時 2009年8月7日(金)~8月9日(日)
場所 ホテル磯部ガーデン 舌切雀のお宿 
〒379-0127  群馬県安中市磯部1-12-5
対象 医学部(全学年)並びに研修医(原則5年目まで)
定員 160名
参加費 学生23,000円(会員 20,000円) 医師32,000円(会員 28,000円)
------------------------------------------------------------

2009年7月7日

へき地は医者をステキにする

 三重のYOMIURI ONLINEから
------------------------------------------------------------
「頼られることが原動力に」 地域医療研修センター長講演

 県医学会の第76回総会が5日、津市の県医師会館で開かれ、県医師会の会員ら170人を前に、地域医療のエキスパートとして知られる奥野正孝・県地域医療研修センター長らが講演を行った。
 奥野センター長は「へき地は医者をステキにする」と題して講演。自治医科大を1期生として卒業した後、1980年に人口500人の鳥羽市神島に1人で赴任した当時を、「誰かの役に立っていることがはっきりと分かった。島民から頼りにされることが、大きな原動力になった」と振り返った。また、「僕は日本で一番神島のことを知っており、今でも専門は神島」とし、へき地医療に携わるには、医療のジェネラリストであると同時に地域のスペシャリストであることの必要性を説いた。
------------------------------------------------------------
 「頼られること」-これは都市部で過剰に「求められる」医療とは明らかに異なるものです。医療も消費されるサービスのひとつになっている現在、忘れかけた大事なものがへき地にはまだ残っているのかもしれません。

2009年7月3日

国民生活センター商品テスト

 ゲルマニウムでも話題になった国民生活センターでは独自に商品テストを実施し、消費者へのアドバイスだけでなく、業界や行政へ要望を行っているようです。
 健康食品なども含まれていますので、いくつかリンクしてみます。
------------------------------------------------------------
イチョウ葉食品の安全性-アレルギー物質とその他の特有成分について考える- (2002年11月25日)
メリロートを含む「健康食品」-むくみやダイエット対策などをうたったハーブ利用食品を調べる- (2004年6月4日)
キダチアロエを使った「健康食品」-下剤成分を中心に- (2005年8月5日)
ダイエットなどをうたった「健康食品」-センナ茎を使った茶類を中心に- (2005年9月7日)
大豆イソフラボンを多く含むとうたった「健康食品」 (2006年6月22日)
高麗人参を主原料とした「健康食品」 (2007年1月10日)
関節に良いとされる成分を含む「健康食品」 (2008年8月7日)
α-リポ酸を含む「健康食品」-販売の実態調査も含めて- (2008年9月18日)
------------------------------------------------------------
 業界の意見として反論も掲載されています。中には激しいやりとりも垣間見られます。

「なお、弊社の製品は、諸般の事情により製造中止となっております。」
「弊社としましては誠実に製品づくりをすすめてきたところであり、寝耳に水。よってここでの数値公表に至る見解には疑問を感じ意義の申し立てを行います。」

 国民生活センターは独立行政法人です。

2009年7月2日

ゲルマニウムに科学的根拠なし?(2)

 国民生活センターのHPも確認してみました。
------------------------------------------------------------
国民生活センター
体に良いとうたうゲルマニウム使用のブレスレット

4.ゲルマニウムの効果等に関する表示調査
 高純度のゲルマニウムを使用しているという表示で、ごくわずかな量しかゲルマニウムが含まれていない銘柄が8銘柄あった。8銘柄中6銘柄には、10名中8名以上のモニターがゲルマニウム含有量が多いと回答し、誤認を招くおそれがある表示・広告があった。
 商品として効能・効果があると受け取れ、薬事法に抵触するおそれがあるインターネット上の広告がみられた。
 全ての銘柄に、ゲルマニウムが健康に対する何らかの効果を示す旨の表示がみられたが、独立行政法人科学技術振興機構の科学技術文献データベースで検索したところ、科学的根拠を示す文献は確認できなかった。

5.ゲルマニウムの効果に関する事業者へのアンケート調査
 ゲルマニウムのヒトに対する効果について、製造者又は販売者名が記載されていた5社に対してアンケート調査を行ったところ、回答があった2社中1社は根拠となる資料を所有していなかった。
 インターネット通信販売業者の多くはゲルマニウムのヒトに対する効果についての科学的根拠を有しておらず、メーカーや仕入れ業者から入手した資料を基に表示を行っていた。
------------------------------------------------------------
 回答があった残りの1社はどんな資料を提示したのでしょうか?