2008年4月30日水曜日

本当にワインは糖尿病にいい?

 最近、他院で糖尿病と診断され治療を受けている女性が、精査目的で紹介されてきました。HbA1c 12%、血糖値400mg/dL、とのことでした。

 「ワインが糖尿病にいいとネットに書いてあって、飲もうと思っているんですけど、どうでしょうか。」

 いくら寛容でもHbA1c 12%の方に大丈夫ですよ、とは言えず、禁酒をすすめました。 それにしても、ワインで血糖値が下がるという情報には本当に根拠があるのでしょうか。 Google検索してみました。
(これはたまたま検索されたサイトを紹介するだけで、決してこれらを非難するものではありません。)

http://allabout.co.jp/health/diabetes/closeup/CU20020129A/
赤ワインは糖尿病にもご利益!
http://warregowines.hp.infoseek.co.jp/winetopics/w&h/w&h007.htm
The Australian Wine Research Instituteの小冊子を紹介しています

 確かに赤ワインが体にいいという情報をよく目にしますが、糖尿病ではどうなのでしょうか。Medlineで医学的見地から検討してみます。

(つづく)

2008年4月28日月曜日

開放性ウエットドレッシング療法

 数年ぶりに褥創診療を行いました。感染・壊死・ポケット形成がある褥創でした。すでにポケットは切開されており、浸出液があふれ、ガーゼが当てられていました。 ここはラップ療法の出番ですね!

有名な鳥谷部さんのホームページです。
http://www.geocities.jp/pressure_ulcer/
目次
http://www.geocities.jp/pressure_ulcer/sub500.htm

 ラップ療法、病棟にもなかなか浸透していないようです。創を閉鎖するのはよくない、という誤解によるものかもしれません。「開放性ウエットドレッシング療法」はよいネーミングかもしれません。

Medipedia

こんなwebsiteもあるんですね。
http://medipedia.jp/

Web医学辞典メディペディアへようこそ!!この医学辞典は日本中の医師・歯科医師の知恵を結集して、自由に執筆でき、無料で利用できる電子医学辞典を創ろう!というアイディアが結実したものです。このアイディアはWikipediaという素晴らしい試みに触発されて誕生しました。

会員登録が必要のようです。

2008年4月25日金曜日

ピロリ菌の診断

 胃内視鏡検査で多発性の胃十二指腸潰瘍(H1期)が見つかった中年男性。検査後の結果説明で外来にまわってきました。ピロリ菌の関与が疑われましたが、内視鏡検査時に行う迅速ウレアーゼ検査は行われてませんでした。
 本日から治療を開始したいですが、治療を開始すると、呼気試験などによるピロリ菌の検査ができなくなります。麻酔が切れるまで待ってから呼気試験を行っておくべきでしょうか、血液検査など他の検査を行うべきでしょうか、除菌を見送るべきでしょうか。
 血液検査って、どれほどの感度・特異度があるのでしょうか。ピロリ菌の診断に使えるでしょうか。 説明する前に、少し検索してみました。

Am J Gastroenterol. 2006 Apr;101(4):848-63. Epub 2006 Feb 22.
Accuracy of Helicobacter pylori diagnostic tests in patients with bleeding peptic ulcer: a systematic review and meta-analysis.
Gisbert JP, Abraira V.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16494583

出血性の消化性潰瘍の人に
血液検査(抗ピロリ菌抗体)が陽性であれば
ピロリ菌感染を確定できるか
診断、メタ分析

結果
検査         感度/特異度/陽性尤度比/陰性尤度比
呼気試験         93/92/9.5/0.11
迅速ウレアーゼ(生検) 67/93/9.6/0.31
血液検査         88/69/2.5/0.25


 確定するためには、高い尤度比が必要ですが、血液検査はあまり有効ではないようです。
 しばらく待って呼気試験を実施することになりました。

2008年4月23日水曜日

地域医療ドミノ倒し

 地域医療ドミノ倒し真っ直中です。
 また2次輪番病院が2つ消えました。消えた当番日を少ない医師で穴埋めするしかありません。
 周囲の大きな医療機関からも、入院患者が搬送されてきます。
 院内の医師は疲弊し、ジリジリと兵糧攻めにあっているようです。
 いったい臨床医はどこへ行ってしまったのでしょうか?

 地域医療に関わろうとする医師たちよ。今こそ立ち上がる時です。
 現実を直視すべきです。全国各地の医療現場では救援を求めています。

 今、この非常事態に実行が伴わなければ、地域医療・家庭医療の明日はありません。 そして、このような現場で幅広い診療ができる家庭医こそ、何かできるはずです。

 また救急車がやってきました。

http://www.asahi.com/life/update/0406/TKY200804050228.html

2008年4月22日火曜日

患者からの暴力被害

 医療従事者にとっては深刻な問題です。対策が必要と思いますが・・・


院内暴力・暴言:病院の5割被害 「対応マニュアルあり」2割--全日本病院協会調査
http://mainichi.jp/select/science/news/20080422ddm012040134000c.html

 医師や看護師ら病院職員が患者とその家族から身体的・精神的暴力を受けたことがある病院が、全国で5割に上ることが「全日本病院協会」の調査で分かった。全体の6割が院内暴力・暴言に対して「不安を感じる」と回答したが、対応マニュアルのある病院は2割弱で、4割は職員からの報告体制も確立していない。

 調査は昨年12月~今年1月、同協会会員の公立・民間病院計2248カ所を対象に実施、49%の1106病院が回答した。

 暴力・暴言は52%の病院が経験し、計6882件に上った。うち9割は患者本人からのものだった。最も多かったのが職員を罵倒(ばとう)するなどの精神的暴力で3436件。身体的暴力(2315件)、セクシュアルハラスメント(935件)などが続いた。警察への届け出や弁護士への相談は7・9%(541件)にとどまっており、院内で対応する傾向が強い状況がうかがえた。


 私も経験があります。明らかに精神疾患があるなどの場合、警察への届け出は躊躇するのは当然です。他の対策が必要だと思います。
http://comet-log.blogspot.com/2008/01/blog-post_09.html

2008年4月20日日曜日

週7個以上の卵摂取は死亡率を上げる

 衝撃的な論文が発表されました。医師を対象としたコホート研究です。

Am J Clin Nutr. 2008 Apr;87(4):964-9.
Egg consumption in relation to cardiovascular disease and mortality: the Physicians' Health Study.
Djoussé L, Gaziano JM.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18400720

  • 男性医師に対して
  • アンケート調査での1週間の卵摂取量は
  • 死亡の予後因子となるか
  • 予後、コホート研究
結果
21,327名、平均20年間の観察期間で5,169名が死亡

調整ハザード比(95%信頼区間)
<1  1.0 に対して
1   0.94 (0.87, 1.02)
2-4  1.03 (0.95, 1.11)
5-6  1.05 (0.93, 1.19)
7以上 1.23 (1.11, 1.36)

 週7個以上の卵摂取をすると、1個未満の人と比べて23%、少なく見積もっても11%死亡が増加する可能性があるということです。
 やっぱり、卵のとりすぎはよくなさそうですね。

2008年4月19日土曜日

MyMed beta

 みんなで作る、わたしの医学書
http://203.138.161.166/

 質の保証はありませんが、無料です。お試しください。

医療費の抑制は限界だ

 毎日新聞の社説から
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080419k0000m070152000c.html

 政府の医療費抑制策に国民は一定の理解を示したが、実行されてみると、さまざまな問題が表面化した。医療費抑制のしわ寄せは病院経営や勤務医にのしかかった。
 加速する医療崩壊の実情をみると、医療費抑制はもはや限界に達したと言わざるをえない。日本より早く同じ医療崩壊が起きた英国では医療費を増やす政策に転換し、危機を乗り越えつつある。こうした経験にも学ぶ必要がある。
 国は医療費抑制の功罪を再点検し、医師不足・偏在対策など必要な所には増やすべきだ。検査漬けなどムダを省くことも重要だが、それ以上に抑制策によって疲弊した医療の立て直しが必要だ。


 地域医療の現場は限界です。将来はともかく、今の医療の立て直しを急いでほしいです。

2008年4月18日金曜日

心房細動患者の将来は家庭医の手に

 家庭医の心房細動診療に役立つ本が出版されています。早速、今日から実践してみます。

心房細動に出会ったら
山下武志 (著)
価格:¥3,570 (税込)
単行本(ソフトカバー): 156ページ
出版社: メディカルサイエンス社; 初版版 (2008/3/25)
言語 日本語
ISBN-10: 4903843033
ISBN-13: 978-4903843032
発売日: 2008/3/25

2008年4月17日木曜日

後方座席のシートベルトが前方座席の生死を分ける?

 後方座席のシートベルトが死亡率を左右しているかもしれません。

Lancet. 2002 Jan 5;359(9300):43-4.
Mortality of front-seat occupants attributable to unbelted rear-seat passengers in car crashes.
Ichikawa M, Nakahara S, Wakai S.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11809187

  • 自動車同士の事故に遭遇した人で
  • 後方座席の人のシートベルト着用有無は
  • 前方座席の人が死亡する予後因子となるか
  • 予後
結果
Driver
(+) (+) 15 158   6  
(+) (–) 52 768   102  4·93 (2·16–11·22)
(–) (+) 178     2
(–) (–) 5789    101  1·61 (0·39–6·60)
Passenger
(+) (+) 6363    6
(+) (–) 16893   76   4·85 (2·11–11·15)
(–) (+) 162     0
(–) (–) 6279    91   ··

前方座席の人がシートベルトをしている場合、後方座席の人がシートベルトをしていないと前方座席の人の約5倍死亡率が高い。


 後方座席のシートベルトは自分の身を守るだけではなく、前方座席への配慮になるんですね。
 このデータはITARDAのデータを用いているようです。
 http://www.itarda.or.jp/

2008年4月15日火曜日

細菌性髄膜炎にステロイド

 細菌性髄膜炎の方がいました。かぜだと思って様子をみていたところ頭痛がひどくなり、救急受診。幸い肺炎球菌による細菌性髄膜炎の診断が迅速にでき、治療開始しました。60歳代でcompromised hostのため死亡率は34%でしたが、なんとかもちこたえております。

 細菌性髄膜炎にはステロイド投与を。文献で確認しました。

Cochrane Database Syst Rev. 2007 Jan 24;(1):CD004405.
Cochrane Database Syst Rev. 2003;(3):CD004405.
Corticosteroids for acute bacterial meningitis.
van de Beek D, de Gans J, McIntyre P, Prasad K.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17253505

  • 細菌性髄膜炎の人(小児・成人)に
  • 抗生剤に加えてステロイド投与をすると
  • 抗生剤にプラセボと比較して
  • 死亡率は減るか
  • 治療、メタ分析
結果
成人・小児あわせて、
致死率 相対危険 0.83, 95% CI 0.71 to 0.99
重度の聴力低下 相対危険0.65, 95% CI 0.47 to 0.91
長期の神経学的後遺症 相対危険0.67, 95% CI 0.45 to 1.00

成人では、
死亡率 相対危険0.57, 95% CI 0.40 to 0.81


 死亡率半減ですね。忘れずに使いたいです。

2008年4月14日月曜日

MEDgle

 診断支援ツールでしょうか?無料で使えます。信頼性はわかりません。お試しください。
http://www.medgle.com/?language=english

2008年4月10日木曜日

総合科と家庭医があっていい

 厚生労働省はこのほど、「安心と希望の医療確保ビジョン」会議を開き、地域医療に取り組む3人の院長から意見を聞いた。席上、舛添要一厚生労働相は地域医療の在り方について、ネットワークや連携を重視する考えを改めて強調し、「医療について国の形を変える必要がある。47都道府県では医療資源の密度を緊密化できない。国の形にかかわるような大掛かりな仕掛けが必要」と述べ、現在の保健医療圏などを見直す必要性を示した。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15480.html

以下、抜粋

 この会議は、長期的な視点から日本の医療の課題を整理する目的で、舛添厚労相が今年1月に設置した。6回目を迎えた今回のテーマは「地域医療」で、小川克弘氏(むつ総合病院院長)、草場鉄周氏(北海道家庭医療学センター理事長)、須古博信氏(済生会熊本病院院長)が意見を述べた。

 小川氏は、患者の心身の状況を全般的に把握するかかりつけ医や総合医などの「一般医」を育成することや、勤務医の負担を軽減する必要性を強調。勤務医の負担軽減の方法として、「医師がやらなければならない仕事は限られているので、スリム化が必要。認定看護師などに医師の業務を委譲していくべきで、現在の医師法を改正する必要がある」と述べた。

 続いて、草場氏が「若手家庭医の主張」と題して、医療法の中に「総合科」を位置付ける必要性を訴えた。「標榜(ひょうぼう)科名はやはり内科、小児科になってしまう。患者への説明にも困ることがしばしばあり、学術的にも法的にも認知されていない現状がある」と述べ、家庭医療(総合科)専門医の養成プログラムの確立や、確かな指導力を持つ家庭医療(同)指導医の養成の必要性を訴えた。


 ヒアリング終了後、舛添厚労相が意見を述べた。認定看護師などに医師の業務を委譲する必要性を指摘した小川氏に対しては、医師と看護師らとの役割分担の範囲を検討する研究会を発足させることに意欲を見せた。
 また、医療法の中に「総合科」を位置付ける必要性を主張する草場氏に対しては、「ダブルトラップで総合科と家庭医があっていい。ただ、標榜科の名前はさらに検討が必要だ」とコメントした。

2008年4月9日水曜日

健康増進外来のセルフチェック表

佐藤元美さんの健康増進外来のセルフチェック表が公開されています。
http://www.echna.ne.jp/~fmh/topix/nhk.html

健康増進外来はこちら。
http://www.echna.ne.jp/~fmh/kenkouzousingairai/kennkouzousin.html
藤沢町民病院
http://www.echna.ne.jp/~fmh/

2008年4月7日月曜日

腸閉塞の治療

 術後癒着による腸閉塞。「イレウス」と呼ばれています。(ileusはイリアスに近い発音です。)
 絶食にしてイレウス管を入れて・・・というのが一般的な治療ですが、一時的に経鼻胃管を入れることもあります。そのあたりはどうなのでしょうか?調べてみました。

Am J Surg. 1995 Oct;170(4):366-70.
A prospective, randomized trial of short versus long tubes in adhesive small-bowel obstruction.
Fleshner PR, Siegman MG, Slater GI, Brolin RE, Chandler JC, Aufses AH Jr.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7573730

  • 癒着性の小腸閉塞の人に
  • イレウス管(LT)を挿入すると
  • 経鼻胃管(NGT)と比べて
  • 非手術療法で改善しやすくなるか
  • 治療、ランダム化比較試験
結果
55名のうち、
44名の部分閉塞 NGT 23, LT 21、11名の完全閉塞 NGT 5, LT 6

手術必要 NGT 13(46%), LT 8(30%) (P = 0.16)
手術までの時間 NGT 60h, LT 65h
術後合併症 NGT 23%, LT 38%(P = 0.89)
閉塞期間 NGT 6.1日, LT 4.6日(P = 0.44)


 LTとNGTで差がなかったという研究です。Abstructのみで判断が難しそうです。論文を吟味してみたいですね。経験的な感覚としては、NGTでは閉塞が解除しない、という印象ですが。もう少し調べてみたいです。

研究デザイン分類のためのアルゴリズム

 こんなページを見つけました。
 論文を読む参考に、いかがでしょうか。

研究デザイン分類のためのアルゴリズム
http://www.kdcnet.ac.jp/hepatology/technique/type/type.htm

2008年4月4日金曜日

ピロリ菌とLG21ヨーグルト(2)

 時間がたってしまいましたが、LG21のつづきです。
http://comet-log.blogspot.com/2008/03/lg21.html

J Antimicrob Chemother. 2001 May;47(5):709-10.
Suppressive effect of Lactobacillus gasseri OLL 2716 (LG21) on Helicobacter pylori infection in humans.
Sakamoto I, Igarashi M, Kimura K, Takagi A, Miwa T, Koga Y.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11328791

  • ピロリ菌感染している人に
  • LG21を加えたヨーグルト8週間(後)投与すると
  • ヨールグルトのみ8週間(前)と比較して
  • 血清ペプシノゲンI/II、呼気試験結果が改善するか
  • 治療、時間シリーズ研究

結果
対象31名

血清ペプシンノゲンI/II
 投与前 2.91±1.16
 ヨーグルト 2.99±1.05
 LG21 3.25±1.09*   *ヨーグルト・LG21間で有意差あり

呼気13CO2
 投与前 26.2±15.1
 ヨーグルト 26.6±13.7
 LG21 20.9±11.8*   *ヨーグルト・LG21間で有意差あり


 比較対照をおかない前後研究ですが、介入前、介入1後、介入2後の3時点でアウトカムが測定されており、時間シリーズ研究になると思います。
 対照を置いていないため、LG21によってのみ改善がみられたと判断することはできません。また、測定値の平均では有意差が出ていますが、呼気試験では

5‰以下へ陰転化 3/31名(9.7%)
LG21により測定値悪化 8/31名(26%)

 LG21による効果が最大と見積もっても、除菌率9.7%、悪化26%ということになります。これでLG21効果あり、といえるでしょうか?この研究、おそらくLG21のピロリ菌除菌についての主要研究です。明治乳業との共同研究でした。

2008年4月3日木曜日

敗血症に免疫グロブリン

 敗血症患者が次々に発生しました。腹腔感染症、細菌性髄膜炎、肺炎からDIC。なかなか忙しいですね。疲れて医局に帰ってくると、「敗血症には、有効性が確認された免疫グロブリン製剤を!」と宣伝するMRさん。どうだったけなあ。敗血症の治療について、調べてみました。

Ann Intern Med. 2007 Feb 6;146(3):193-203.
Meta-analysis: intravenous immunoglobulin in critically ill adult patients with sepsis.
Turgeon AF, Hutton B, Fergusson DA, McIntyre L, Tinmouth AA, Cameron DW, Hébert PC.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17283351

  • 重症敗血症患者に
  • 免疫グロブリン製剤(IVIG)を投与すると
  • プラセボまたは投与なしと比べて
  • 死亡率は改善するか
  • 治療、メタ分析

結果
20のランダム化比較試験(n=2621)
IVIG投与により全体の死亡率は改善する
リスク比 0.74 [95%信頼区間 0.62 to 0.89]

 効果がありそうですね。
 「この研究の限界」のところに、「これらの研究のほとんどはearly goal-directed therapyやactivated protein C treatmentが行われる前であった」とかかれています。他にいい治療があるのでしょうか。さらに調べてみました。 つづく

2008年4月2日水曜日

注射嫌いの子供たちに朗報?

 新年度がはじまりました。新体制にはいろいろ混乱も発生しますが、新しい気づきも生まれます。これまでを見直してみる、いい機会かもしれません。

 これまでの局所麻酔剤は効果が出るまで時間がかかりすぎて、例えば小児の静脈穿刺などでは現実的ではありませんでした。この論文では、数分で効果が現れる画期的な麻酔の方法、針なし粉麻酔デリバリーシステムを使って効果を検証したものです。
J Pediatr. 2008 Mar;152(3):405-11. Epub 2007 Oct 22.
A novel needle-free powder lidocaine delivery system for rapid local analgesia.
Zempsky WT, Robbins B, Richards PT, Leong MS, Schechter NL.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18280850

  • 小児(3-18歳)に
  • デリバリーシステムを使って静脈穿刺すると
  • プラセボ手技と比べて
  • 痛みが減るか(Wong-Baker FACES scale(3-12歳)または/かつ100-mm visual analog scale (8-18歳)
  • 治療、ランダム化比較試験

結果
Wong-Baker FACES (0 to 5)
              デリバリーシステム   プラセボ手技
3 to 7 years        1.52±1.83        2.42±2.12
8 to 12 years       0.98±1.13        1.4±1.22
VAS (0 to 100 mm)
8 to 12 years       10.9±19.96       17.86±22.06
13 to 18 years      14.08±18.04      23.41±22.07



 調べてみました。このようなもののようです。
http://www.anesiva.com/

 案外、全体的に痛みスコアが低くて拍子抜けしています。点滴は意外と痛いと思っていないんでしょうか?でもやはり、新しい方法のほうが、痛みスコアは低くなっています。