毎日新聞から。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081128ddm041040019000c.html
副作用:便秘薬の酸化マグネシウムで2人死亡
便秘や胃炎に広く使われている医療用医薬品「酸化マグネシウム」の服用が原因とみられる副作用報告が05年4月~今年8月に15件あり、うち2人が死亡していたことが、厚生労働省のまとめで分かった。高齢者に長期間処方しているケースも多いことから、厚労省は血液中のマグネシウム濃度の測定など十分な観察をするよう、製薬会社に使用上の注意の改訂を指示した。
早速、マグネシウム濃度測定してみます。
2008年11月28日金曜日
酸化マグネシウム注意
2008年11月27日木曜日
UpToDateは患者アウトカムを改善する
ついにUpToDateが診療の質に影響を与えるという論文が出ました。論文未入手ですが、抄録のみ読んでみます。
Int J Med Inform. 2008 Nov;77(11):745-53. Epub 2008 Jun 19.
Association of a clinical knowledge support system with improved patient safety, reduced complications and shorter length of stay among Medicare beneficiaries in acute care hospitals in the United States.
Bonis PA, Pickens GT, Rind DM, Foster DA.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18565788
■急性期病院では(Thomson databaseを使用)
■UpToDateオンラインアクセスは
■診療する患者の死亡率、合併症発生率、安全指標、在院日数の予後因子となるか
■予後、後向きコホート研究
■結果
UpToDateを使用する病院 (n=424)は、それ以外の病院(n=3091)に比べて、診療の質が高い。
患者安全指標(P=0.0163)、合併症(P=0.0012)、在院日数(by on average 0.167 days per discharge, 95% confidence interval 0.081-0.252 days, P<0.0001)が有意によかった。
これらの指標はUpToDateの使用頻度とも相関があった。
死亡率は有意差がなかった。
この論文はUpToDateで紹介されていました。
http://www.uptodate.com/home/about/research.html
論文を読んでいないため詳細はわかりませんが、「予想通り」という印象です。
2008年11月23日日曜日
患者力が足りない
「プレジデント」12.15号の特集です。
特集/わが家に一冊! 賢い「医療との付き合い方」百科
頼れる病院、危ない病院
http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2008/20081215/
この特集の中の、イザに備える!「希望の患者力」マニュアルでは、患者としてかかる際の注意点がよくかかれています。
具合が悪くなったら病院に駆け込めば何とかしてもらえる、という考えはもう捨てていただきたいです。病気になってしまえば、どんなによい治療を受けたとしても元の体には決して戻りません。元に戻らないのは、病院が悪いのではなく、病気になってしまったせいです。
自分を守るために、何をしてきたのか。病気になってから騒ぐのではなく、それなりの努力や備えというものが必要ではないでしょうか。
2008年11月20日木曜日
不信からは何も生まれない
ただ驚きです。現場のモチベーションが落ちるだけです・・・
「医師、社会常識欠落している人が多い」首相が問題発言 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081119-OYT1T00661.htm
麻生首相は19日午後、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師確保策に関連し、「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会的常識が、かなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと……」と述べた。 首相がかつて中核企業の社長を務めた「麻生グループ」は、病院を経営している。 首相はこの後、首相官邸で記者団に対し、自身の発言について、「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、申し訳ない」と陳謝した。
麻生首相発言に医師団体から批判の声
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20081119-431373.html
麻生太郎首相の「医師は社会常識がかなり欠落している人が多い」という発言に関連して、医師の団体からは批判や反発の声が相次いだ。
病院勤務医を中心に約800人が加盟する「全国医師連盟」の黒川衛代表は「驚いた。一国の首相の言葉とは思えない配慮のない発言で残念だ」とした上で、「一生懸命働いている医療者のことを真剣に考え、社会全体で医師不足対策を考えてほしい」と注文を付けた。
また開業医が多い全国保険医団体連合会の住江憲勇会長は「日本の医療費が低水準にある中で、地域医療を守っている医師の気持ちを全く理解していない」と切り捨て、「二階俊博経産相が、相次ぐ妊婦の受け入れ拒否は『医師のモラルの問題』と発言したのを撤回したばかり。医師不足に関する麻生内閣の認識はどうなっているのか」と批判した。 定例記者会見中に首相発言が舞い込んだ日本医師会の中川俊男常任理事は「信じられない。これから確認したい」と述べ、あぜんとした表情を見せた。(共同)
麻生首相こそ社会常識欠落=鳩山氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008111900923
民主党の鳩山由紀夫幹事長は19日夜、麻生太郎首相が地方の医師不足問題に関連し「社会的常識がかなり欠落している人(医者)が多い」などと発言したことについて、「首相の方こそ社会的常識が欠落している」と批判した。都内で記者団に語った。
飯塚病院 http://aih-net.com/
二階経済産業相発言http://comet-log.blogspot.com/2008/11/blog-post_14.html
二階さんの発言といい、医師がそのような扱いを受ける内閣であることを確認しました。
最後の医介輔が引退
琉球新報から
最後の医介輔が引退 へき地・離島医療支え60年 2008年11月19日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-138244-storytopic-1.html
【うるま】戦後沖縄で、へき地・離島の住民の命を支え続けてきた医介輔制度。宮里善昌さん(87)=うるま市勝連平敷屋=は県内唯一の医介輔として平敷屋診療所で診察を続けてきたが、10月6日に同診療所を閉めた。最後の医介輔だった宮里さんの引退で、戦後・復帰後の地域医療を支えた約60年の医介輔の歴史が幕を閉じ、戦後沖縄の時代を語る象徴がまた一つ消えた。
医介輔は、沖縄・奄美だけに認められた特別医療制度。激しい沖縄戦で60数人まで激減した県内の医師不足を補うため、1951年に米国民政府が医師助手などを対象に試験を実施し、県内では宮里さんを含む96人が合格。復帰時も、へき地医療は改善されていないとして「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」で制度は存続した。
宮里さんは「産婦人科など何でも診ないといけなかったが、勉強になった。患者に対する優しさが医の原点」と語る。「沖縄での医介輔の目的は果たした。後世につないだという安心感があった」と悔いはない。
米国のPhysician assisstantに相当する医介輔。医師不足の解決策のひとつになると思います。離島医療を支えてきた歴史的制度がなくなるのは寂しいですね。宮里さん、お疲れ様でした。
2008年11月19日水曜日
喘息コントロールテスト
グラクソ・スミスクライン株式会社のHP「Zensoku.jp」で、喘息コントロールテスト(ACT)のチェックができるようになっています。
http://zensoku.jp/check/index.html
喘息の説明に役立つ情報もあり便利です。ぜひ活用したいです。
2008年11月18日火曜日
COPDに長時間β+ステロイド吸入は有効か?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の季節になりました。急性増悪がポツポツとみられています。
最近はステロイド配合の長時間持続β2刺激薬がありますが、COPDに対するステロイド吸入の効果はどれほどなのでしょうか。
Ann Intern Med. 2007 Apr 17;146(8):545-55. Epub 2007 Feb 19.
Tiotropium in combination with placebo, salmeterol, or fluticasone-salmeterol for treatment of chronic obstructive pulmonary disease: a randomized trial.
Aaron SD, Vandemheen KL, Fergusson D, et al. ;Canadian Thoracic Society/Canadian Respiratory Clinical Research Consortium.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17310045
■中等症から重症のCOPDで、抗コリン薬(tiotropium)を使用中の人に
■長時間持続β2刺激薬(salmeterol)またはステロイドの合剤(fluticasone-salmeterol)を追加して1年間治療すると
■プラセボを追加するのと比較して
■急性増悪(ステロイドまたは抗生剤の全身投与が必要なもの)は減るか
■治療、ランダム化比較試験
■結果 449人のうち
プラセボ salmeterol fluticasone-salmeterol
n=156 n=148 n=145
急性増悪 98 (62.8%) 96 (64.8%) 87 (60.0%)
ARR(95%CI) -2.0%(-12 to 8.8) 2.8%(-8.2 to 13.8)
急性増悪では有意差がなかった。感度分析を行っても、結果に変わりはなかった。
Primary outcomeである1回以上の急性増悪では差が出ませんでした。急性増悪での入院ではfluticasone-salmeterol群で有意に少なくなっていますが、これは6つのsecondary outcomeのうちのひとつの項目です。
また、プラセボ群とsalmeterol群では40%が脱落し、脱落後はオープンラベルとなっていますので、解釈には注意が必要です。さらなる検証が必要でしょう。
※fluticasone-salmeterol=アドエア(GSK)
2008年11月14日金曜日
謝罪は行動で
時事通信より。
相次ぐ妊婦受け入れ問題で、二階俊博経済産業相(69、衆院、自民党、和歌山3区、当選8回)が「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題。忙しいだの、人が足りないだのと言うのは、言い訳にすぎない」と発言した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081113-00000193-jij-pol
http://seiji.yahoo.co.jp/giin/jimin/000555/
これに対して全国医師連盟は抗議文を掲載しています。
http://www.doctor2007.com/nikai.html
謝罪するぐらいなら、忙しいだの言わないで、黙って夜間の医療現場を視察してきていただきたいです。政治家のモラルも問題です。
2008年11月13日木曜日
病院の言葉を分かりやすくする
国立国語研究所「病院の言葉」委員会の「病院の言葉」を分かりやすくする提案(中間報告)が公開されています。たいへん興味深い結果です。
http://www.kokken.go.jp/byoin/
プライマリーケアは認知度が29.6%、EBMは8.7%でした。
プライマリーケアの項では、「ふだんから近くにいて,どんな病気でもすぐに診てくれ,いつでも相談に乗ってくれる医師による医療」となっています。
「概念の普及のための言葉遣い」
「プライマリーケア」という言葉の認知度は29.6%と非常に低い。「プライマリー」という外来語の意味も一般の人には分かりにくいので,普及のためには,端的な言い換えや言い添えの必要性が高い。
日本プライマリ・ケア学会は関連学会との合併を検討されていますが、学会名称はわかりやすい言葉のほうがよいのかもしれません。
生検、頓服、ショックなど、用語には気をつけたいです。待合室にぜひ常備したい一冊です。
2008年11月10日月曜日
家庭医療専門医認定試験
いよいよ、日本で初めて行われる家庭医療専門医の学会の公式な認定がはじまります。学会HPにて告知されています。
http://jafm.org/pgm/senmoni.html
試験の日時:平成21年7月19日・20日(予定)
場所:慈恵会医科大学(東京、予定)
2008年11月5日水曜日
糖尿病のアスピリン一次予防は心血管疾患を減らさない
糖尿病のアスピリン一次予防についてのランダム化比較試験を読んでみました。
BMJ. 2008 Oct 16;337:a1840. doi: 10.1136/bmj.a1840.
The prevention of progression of arterial disease and diabetes (POPADAD) trial: factorial randomised placebo controlled trial of aspirin and antioxidants in patients with diabetes and asymptomatic peripheral arterial disease.
Belch J, MacCuish A, Campbell I, Cobbe S, Taylor R, Prescott R, Lee R, Bancroft J, MacEwan S, Shepherd J, Macfarlane P, Morris A, Jung R, Kelly C, Connacher A, Peden N, Jamieson A, Matthews D, Leese G,McKnight J, O'Brien I, Semple C, Petrie J, Gordon D, Pringle S, MacWalter R; Prevention of Progression of Arterial Disease and Diabetes Study Group; Diabetes Registry Group; Royal College of Physicians Edinburgh.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18927173
■1型または2型糖尿病で症候性心血管疾患がなく、ABIが1.0未満の人に
■アスピリン100mgまたはアンチオキシダントまたはその両者を投与すると
■プラセボと比較して
■冠動脈疾患や脳血管障害による死亡と非致死的心筋梗塞・脳血管障害と下肢虚血による切断の複合エンドポイントは改善するか
■治療、ランダム化比較試験
■結果
アスピリン アンチオキシダント
治療群 116/638 117/648
対照群 117/638 116/636
ハザード比 0.98 1.03
[95%信頼区間] [0.76-1.26] [0.79-1.33]
アンチオキシダントとの2×2factorial designになっています。
それにしても、ほとんど差がでていません。一次予防ですが、比較的リスクが高い集団での検討です。糖尿病の一次予防は症例を慎重に選んだほうがよいのでしょうか。
アンチオキシダントとはαトコフェノール、アスコルビン酸、ピリドキシン(B6)、亜鉛、ニコチン酸アミド、レシチン、亜セレン酸ナトリウムが含まれたカプセルでした。
2008年11月4日火曜日
かぜにビタミンCは偽薬と差がない
「かぜにビタミンは効果がある?」という質問に対して、2007年!にメタ分析が出ています。こんなに最新の知見なんですね。抄録のみですがCochraneからです。
Cochrane Database Syst Rev. 2007 Jul 18;(3):CD000980.
Vitamin C for preventing and treating the common cold.
Douglas RM, Hemilä H, Chalker E, Treacy B.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17636648
http://www.mrw.interscience.wiley.com/cochrane/clsysrev/articles/CD000980/frame.html
■かぜ発症後の患者に
■0.2g/日以上のビタミンCを摂取すると
■プラセボと比較して
■かぜの罹病期間が短くなるか、重症度が軽くなるか
■治療、メタ分析
■結果
7研究、3294のかぜエピソードに対して、かぜの罹病期間に有意差はなかった。
4研究、2753のかぜエピソードに対して、かぜの重症度に有意差はなかった。
ビタミン剤でかぜに最も効果が期待されたビタミンCに治療効果がなかったことが証明されたメタ分析です。
2008年11月3日月曜日
点滴依存症
かぜが治らないので点滴をしてほしいと深夜に受診する女性。
「最初に受診した病院では点滴をしてくれなかったので、翌日別の病院を受診した。抗生剤入りの点滴をしてもらい、調子がよかった。まだよくならないので、点滴してほしい。」
点滴にはかぜの治療効果がないこと、ビタミン剤にも効果がないこと、抗生剤は効果がなく害があることを説明しても納得がいかない様子。症状のつらさを訴えつづけること40分。すでに他の医療機関で十分治療がされており、診察のみでお帰りいただきました。
深夜の救急現場で、救急疾患ではない方にこれだけの時間と労力をかけて、診療報酬は診察料のみ。疲弊します。
こんなブログがありました。ほんとうにうんざりします。
点滴で風邪は治りません
http://blogs.yahoo.co.jp/rijichonikki/21607175.html
いまだに「かぜに点滴が効く」という点滴信仰や点滴依存症が根強い文化となっているようです。
本来、脱水症がなければ保険適応はありませんが、希望されれば安易に点滴をしたほうが労力も少なく、診療報酬も得られ、患者満足度が高くなるため、一部の医療機関では保険診療で行っているのが実態です。それを当然のことのように他の医療機関で要求され、「やってくれないのはおかしい」と患者にすごまれることになります。
同じようなものに痛み止めの注射などがあります。短期的な効果しか期待できず、長期ではむしろ害があるものについても、漫然と繰り返されることもあります。ペンタゾシン中毒のような薬物依存をつくってしまうこともあります。
しかし、これでは長期的視点からあえて点滴を行わない診療を行っている適正な医療機関が不利益をこうむることになります。
点滴依存症は医療機関がつくる医原病です。限りある医療費です。保険請求の厳正な審査をお願いしたいです。
